| 1 | テツ | 6歳 | 越冬期間中に死亡 |
| 2 | ベック | 3.5歳 | 越冬期間中に死亡 |
| 3 | クマ(比布) | 4.5歳 | 越冬期間中に行方不明 |
| 4 | リキ | 6歳 | 翌年死亡を確認 |
| 5 | アカ | 5歳 | 翌年死亡を確認 |
| 6 | デリー | 5歳 | 行方不明(鎖はずれ) |
| 7 | クマ(風連) | 3歳 | 行方不明(首輪抜け) |
| 8 | ペス | 4歳 | 翌年死亡を確認 |
| 9 | クロ | 3.5歳 | 翌年死亡を確認 |
| 10 | クマ(紋別) | 3歳 | 翌年死亡を確認 |
| 11 | ジャック | 3歳 | 行方不明(首輪抜け) |
| 12 | ポチ | 2.5歳 | 翌年死亡を確認 |
| 13 | ゴロ | 2歳 | 翌年死亡を確認 |
| 14 | アンコ | 2歳 | 行方不明(鎖はずれ) |
| 15 | モク(深川) | 2歳 | 翌年死亡を確認 |
| 16 | シロ | 2歳 | 行方不明(首輪抜け) |
| 17 | タロ | 1歳 | 生存 |
| 18 | ジロ | 1歳 | 生存 |
| 19 | シロ(メス) | 0.5歳 | 宗谷で帰還 |
| 20 | モク(札幌) | 6歳 | 越冬に参加せず、帰還中に病死 |
| 21 | トム | 7歳 | 越冬に参加せず帰還/td> |
| 22 | ミネ(メス) | 0.5歳 | 越冬に参加せず帰還/td> |
目の前の犬たちは、北村が想像していた、やせこけている姿とは似ても似つかなかった。まるまると太り、まるで小熊のようだ。彼らは首を下げ、上目でじっと疑うように見上げる。あきらかに警戒している。犬たちが前に進むと、今度は北村があとずさる。一年前に彼らを置き去りにしたという、スネにキズを持つ身には、ひょっとしたら自分を恨んでいるのではないかという気持ちがチラッと頭の中をよぎったからだ。
なんとか通じ合えないものか。北村は手マネ足マネで話しかけ、号令もかけてみた。それでやっと近づくことができたが、頭をなでても容易にしっぽを動かさない。
「なあ。おれだよ。一年前のおれだよ……」
北村は一生懸命に呼びかけた。
「なあ。おまえはクマか?」
反応がない。
「それではモク?」
北村はこうして黒い犬たちの名を片っぱしから呼んでみた。最後に
「タロ?」
と呼んだとき、しっぽがピクッと動いたような気がした。
「タロ……?」
ともういちど呼んだとき、今度ははっきりとしっぽが動いた。アッ! 反応があった!
「おまえはタロ! するとおまえはジロか?」
今度は、もう一頭の犬がマネキネコのように右前足をひょいと上げた。これはジロの癖であった。その目で見ると、ジロらしい犬の胸と前足には白い毛がまじっていた。これはジロの外見上の特徴であった。もう間違いはない! 犬たちも北村を思い出したらしい。しっぽを振り出した。この二頭がタロとジロとわかったとき、にわかに北村の胸にグッと熱いものがこみあげてきた。
「よくもまあ……」
と、あとは言葉にならなかった。
「確かに気持ちが悪かった。どのように変わっているのかわからないし、第一、生きていたということ自体にまだ不思議な気がしているのだから。しかし、私はこの前この犬たちと一年間基地で暮したのだし、止むを得なかったからとはいうものの、置き去りにしていったものの一味には違いない。うしろめたさほどではないけれど、犬に対してはやはり何かひっかかる感情はあったわけです」
「お互いにシリごみしているのをみているうちに、やはり私が行ってみることだと思った。たとえ狂暴化していて、腕の一本や足半分ぐらいくいちぎられても仕方がない。わたしたちが残してきた犬なんだからと、”あとのことはたのんだよ”なんてジョウ談をいいながらちかづいてみました」
「ところがどうでしょう。ほえもしないしあとずさりもしない。ちゃんと昔の主人をむかえてくれた。シッポをふる。体をすり寄せてくる」
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