0 憂鬱
[初出] 2004.06.11 [最終更新] [平均面白度] 4.83 [投票数] 6 [コメント数] 1
もうすぐ明日になるのだが、本日夕方から只今まで、ぼくはずっと困惑している。明日もまた困惑は続くだろうと思うと、憂鬱でもある。
その仔猫の存在は、数週間前から知っていた。隣家は婆さんがなくなってからこっち、このところ空家なのだが、どうもその床下で野良猫が子どもを育てている様子。白地に黒のぶちがあるウシ柄と、サバ柄。
確認しようとしていたのだが、親の警戒心が強いのか、なかなか所在を明らかにしない。
何日か後には、公園(旧婆さん家の向かいがすぐ公園であるのだ。公園の隣は保育園)で、保育園の園児多数と遊んでいる2匹を見た。親はどうしたのかな。多少、気にはかかっていた。
本日は台風の影響か、終日の雨だった。夕刻、仔猫の激しく鳴く声に表に出てみると、サバトラの方が濡れそぼって、そこにいた。
もうこうなっては仕方がない。
確保し、我が家に連れ帰った。
ウチには2匹の猫がいる。後楽園13歳、はぎ12歳。ともにメス。ふたりとも新参者をみて、激しくイカる。新参者もまた、いっちょまえに嵐を吹く。
このあたりだけではないだろうが、我が家の周辺には猫エイズが蔓延している。野良であれば、母親からの感染もありうる。ともかくも、検査だけはしておく必要がある。
で、確保後10分もたたないうちに、カゴに押し込んで獣医へ。
不思議なことに、猫エイズも猫白血病も大丈夫。陰性だ。検便の結果、回虫は確認されたが、たいした量でもないもよう。駆除薬を投与される。
オスである。たいへん人なつっこい。頭もよさそうだし、器量もよい。
ぼくも幼少の頃から、多数の猫を見てきたが、ここまでのは、稀ではある。
しかし、問題は先住者との折り合いが破滅的に悪いことだ。
特に、後楽園はむちゃくちゃ怒っている。
獣医から帰ってきてからずっと、やつは2階から降りてもこない。ぼくが2階にいっても、激しくイカって、寄ってもこない。
猫の怒りは4段階ある。初段は無視。しらんぷり。次の段階はウナリ。その上は恫喝。最後は阿鼻叫喚であるのだが、ずっと最終段階のまま。
新参者のチビに対してイカるのは、まだわかる。しかし、なんでぼくに対してまでイカらにゃならんのだ。ほとんどさわらせてもくれない。ぼくの左手は血まみれでもある。
おまえがいちばんだいじだよ。でも雨のなか、放っておけなくて連れ帰ってきただけじゃないか。
なんて弁解しても許してくれない。すごい表情で怒り、うなり、激しく攻撃してくる。
作戦的に見ると、後楽園の戦略は、どう考えてもマチガイである。殊勝に甘えてくればいいのだが、こう怒られると、こっちも鼻白む。勢いでついつい浮気してしまった亭主とヒス女房か。まるで。
半時間ほど前から、奥歯まで著しく痛むようになった。仕方がないからイブプロフェンを服用した。
チビはシゴト部屋に隔離した。後楽園はいまだにイカっている。ぼくは憂鬱だ。
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いただいたコメント
ナカムラミツハル さんによるコメント
なんとなく、状況が想像される、こんな猫顔かな?[2006.06.25 #357]
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