1 バナナのゴンドラ
[初出] 2004.01.11 [最終更新] [平均面白度] 2.64 [投票数] 11 [コメント数] 0
うちの庭には柿の木があり、毎年なにがしかの結実を見る。ほとんどは収穫して食べてしまうのだが、いくつかは木に残したままにしておき、小鳥たちにおすそ分けするようにしている。
冬場は餌が少なくなることもあるのだろう。ヒヨドリやメジロがやってきて、それをついばむ。今年は特に餌が少なかったのかもしれない。冬のはじめには残してあったものはみんなきれいになくなってしまった。
でね、これも例年のことなんだけど、折りに触れ、果物などを柿の木にくっつけておく。一般的に言って、野生動物に餌を与えることは、やってはならないことだ、ということはわかっている。ホントはそんなことしちゃいけないんだ。けれども、なんかちゃっやうんだよね。かわいいし。
八百屋の店頭に少し悪くなった果物が一山100円ほどで販売されている。こういうのを買ってくるわけだ。
今年もそうしたかったんだが、よく考えてみれば、そういうのより、普通のバナナの方がかえって安い。一房100円で売っている。そこで、ためしにバナナを与えてみた。
物干し竿をささえる金具にバナナをベニスのゴンドラのように突き刺す。皮の一部も剥きとる。そのことによって、ますますゴンドラのようになる。ゴンドラの中に果肉がつまっているような感じ。
これがすごく人気があるんだ。
ヒヨドリはめったに来ないが、メジロの数カップルがとっかえひっかえやってきて、2、3日で果肉をすっかり食べ尽くしてしまう。その姿があまりに可憐なので、ついついバナナを切らさないようにしてしまう。
我が国は、近年大きくかわってきたのではないだろうか。昔、といってもつい10年ほどまえには、街場の野鳥たちはドバトやカラスを除いて、非常に警戒的であった。人の姿が近くにみえると、パッと飛び立って逃げていってしまったものだ。最近は、あまり警戒をしていないように見える。バナナのゴンドラは居間のアルミサッシから50cmほどの距離だ。窓のこちら側でぼくが少しくらい動いたところで、メジロたちは逃げも隠れもしない。
アメリカやヨーロッパの公園では、芝生に寝そべる人たちの真横を小鳥たちが餌をついばみながらチョコチョコ歩く。リスも天真爛漫に遊んでいる。ちょっとうらやましかったりしたのだが、日本もだんだんそういう感じの社会になってきたのかもしれない。
それがいいことなのかどうなのかは、考えてもよくわからない。
この記事は面白かったですか?
お読みになっての印象を5段階評価のボタンを選び「投票」ボタンをクリックしてください。
≪この記事に対していただいた「投票」11件、「平均面白度」2.64≫
いただいたコメント
現在この記事に関するコメントはありません
#
コメントを書く