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こわされ、すてられ、消えてゆくものがある。
かんがえ、つくり、伝えたいものがある。
本当の豊かさを取り戻すために。
……ぼくたちのご先祖の感覚では、物にはもともと威厳と品格があるってことなんだろうね。それはうすうすぼくにもわかる。寒い時に火を焚くのはいい。しかし暖かくなってもまだ焚いていると、それはもったいない。燃料を粗末に扱っているからでもあり、自分の必要が満たされたのに火を消さないことが恐れ多いからでもある。
そうだ。もったいないとは主体的な感覚だったのだ。自分と自分の必要をちゃんと考え、それを超えるものを粗末に扱うことをたしなめるコトバなのだ。…ずいぶん「もったいない」時代が長く続いてきた。その中で喪失してしまったのが、自分で考えるということだったんだ。自分で自分の暮らしを考えるということだったんだ。 (本文より)
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