書影 12●「もったいないのココロ」補遺と訂正
目次
 1 1モル中の炭素の「重さ」 (P186)

1 [訂正]1モル中の炭素の「重さ」
P186の1モル中の炭素は14グラムと書いていますが、正しくは12グラムです。うっかり違う数値をいつの間にか覚え間違えていました(恥ずかしい)。読者のくりまた様からご指摘を受けました。
この数値の誤りにより、この節のいろんな数字がみな変わってきます。下に訂正後の文章を掲載します。赤字部分が修正したところです。もうしわけありませんでした。

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二酸化炭素と風船
しかしこの二酸化炭素の排出量。この数値はどうもイメージしにくい。日本人1人あたり年間10トンの二酸化炭素を放出していると言われている。これは「炭素換算」である。二酸化炭素を構成する炭素の部分を固形にしたら、この重さになりますよ、ということだ。

固形の炭素なんて、鉛筆の芯くらいしか知らない。炭素換算で何キロなんて言われても、もうひとつピンと来ない。

われわれが大気中に放出しているのは、気体としての二酸化炭素だ。 この気体としての二酸化炭素をどれくらい放出しているのだろう。

たとえば、ごみ。研究によるといわゆる「燃えるごみ」を焼却すると、ごみ1kgあたり240gの二酸化炭素を排出するという。もちろんこれはごみの組成によって左右されるので、これはあくまで平均的な組成での数字だ。240gの炭素と言われてもピンとこない。これは気体としてどれくらいか。

排出した二酸化炭素をゴム風船に詰めるとする。風船の大きさは直径35cm。容量は22・4リットル。だいたいイベントの際などに子供たちにプレゼントされる例の風船くらいのサイズ。240gの炭素が含まれる二酸化炭素をこの風船につめると、約20個になる。つまりごみをだすのを1キロ少なくすれば、大気中に放出する二酸化炭素風船を20個分少なくできる。

なんで22・4リットルなのかというと、そりゃ、高校の化学の時間を思い出してください。1モルの気体は標準状態ではこの体積になるんじゃなかったっけ。「風船の中は1気圧以上なきゃなんないんじゃないか」というツッコミがあるかもしれないが、風船内部の気圧は1気圧よりわずかにに高い程度だ。厳密に言えば間違いなんだけど、おおむねこれで考えて、そう大差はない。二酸化炭素1モル中には炭素が20g含まれているわけだから、この数字で固形換算の分を割れば風船の数が算出できる。

20個の風船といえば、たやすくイメージすることができる。

牛乳パックをごみに出さずにリサイクルに回すと、40gの二酸化炭素(炭素換算)を削減することができる。風船にすれば3.3個だ。どうです、けっこうでかい数字でしょ。牛乳パックをたったひとつリサイクルボックスに入れることで、風船3つですぜ。

電気を1kWh使うと、現在の電源構成をもとにしていえば120gの炭素を排出する。これは風船で言えば10個。100Wの電球を1日1時間ムダに付けているとそれだけで年間365個の風船がぽわわんと浮かんで消えていくことになる。

計算の方法は実に簡単で、固形換算の二酸化炭素量を12gで割ればいい。二酸化炭素量はふつうキログラムで表記されているので、単位を合わせる(具体的には1000倍する)ことにだけ注意すればいい。



風船換算のメリットは、いろんな環境配慮行動での風船の数が計算でき、かつ、それが具体的なイメージに結びつくということだ。固形換算で表現するより、風船の数はものすごく大きなものになる。これは逆に「ちょっとした行為が風船の数として表現できる」ということになる。100Wのテレビを1時間ムダにつけているだけで風船1個だ。

こういう考え方、感じ方をすることで、日常生活での環境への感覚をするどいものにしていけるのではないか、と思っている。 いかがだろうか。

これにともない欄外の図の数字も変わってきます
【二酸化炭素の風船換算】
単位(排出二酸化炭素炭素換算)→風船換算
電気1kWh(0.12kg)→10個
都市ガス1立米(0.64kg)→32個
LPガス1立米(1.8kg)→150個
水道1立米(0.16kg)→13.3個
灯油1リットル(0.69kg)→57.5個
ガソリン1リットル(0.64kg)→32個

燃えるごみ1kg(0.24kg)→20個

【ごみに出さずにリサイクルに回すと】

アルミ缶1本(50g)→4.17個
スチール缶1本(10g)→0.85個
ペットボトル1本(20g)→1.67個
ガラス瓶1本(30g)→2.5個
紙パック1本(40g)→3.33個
食品トレー1枚(2g)→0.16個
排出量の出典は環境庁地球環境部「環境家計簿」

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